東工大受験生へ

東工大受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。




①東工大入試について
あまり詳しく知らない人のために基本情報を書いておきます。
東工大は国立大学では珍しく、センター試験を足切りにしか使用しません。600/950がその基準であり、それ以外には一切センターの得点は関係ありません。合否はすべて2次試験の得点で決まります。2次試験は750点満点で、科目別だと 数学300点 英語150点 物理150点 化学150点となっています。目標点は志望類にもよると思いますが、6割取ればおそらくどの類も受かります。
私は、現役浪人ともにセンターは完全に無視していました。後期東北大などを考えていないのなら、センター対策はやらなくても大丈夫でしょう。ただ、普段のマーク模試で英数理だけの得点率が8割を超えていないようならば、基礎からやり直した方がいいような気がします。






②科目別対策
英語:試験時間90分で、長文2題からの出題です。例年最初の文章のほうが長く、その分配点も大きいです。東工大英語の特徴は何と言っても文章の長さではないでしょうか。私が受験した2017年度は特に長かったと思います。設問は和訳、英訳が中心です。日頃から自然な日本語を書く練習をしたり、英作文はネイティブに添削してもらった方がいいです。独特な出題形式なので、模試や過去問で十分に対策をしておきましょう。得意なら100以上、苦手でも70は取りましょう。





数学:試験時間は180分で、大問5題です。全体の40%も占めているので東工大入試のキー科目です。数学が得意であれば、他の2科目くらいの失敗はカバーできますが、私みたいに数学が苦手な人だと他の科目の失敗は許されません。近年はすべての大問に小問がついていましたが、今年は、誘導のない問題が2題ありました。来年もこの傾向が続くかもしれないので、誘導がなくても解ける力はつけておいたほうがいいのかもしれません。さすがに理工系トップレベルの大学だけあって一筋縄ではいかない問題が多いです。得意なら200以上、苦手でも150は取りましょう。






物理:理工系大学なので、理科は物化指定です。理科の試験時間は物理と化学で分けられていて、他の難関大学とはその点で大きく異なります。また物理、化学どちらも試験時間120分なので腰を据えて試験に臨めます。難易度ですが、2016年度入試を除き標準的な問題が多いです。しかし、記述式がメインなので、日ごろから問題を解くときは意識したほうがいいです。
ここで物理が苦手だと他の受験生に大差をつけられます。物理の対策は早急にしたほうがいいです。最終的には、名問の森や重問レベルの問題ががほとんど解けるぐらいにならないと厳しいです。過去問で100くらいをコンスタントに取れるなら物理に関しては問題ありません。
得意なら120くらい、苦手でも75はとりましょう。







化学:東工大と言えば、何と言ってもこの科目でしょう。問題数は9or12or15で、問題数が多い年は、だいたい難易度が低いです。これは、毎年そうですが、化学の問題は大きな3つのグループに分けられています。Ⅰ:理論、Ⅱ:理論、無機、Ⅲ:有機となることが多いです。出題形式は選択問題と数値計算の2種類のみです。有機では構造式を書かせるのもありますが。なお途中課程は一切見てくれないので、計算力が非常に重要となってきます。普段の学習で電卓に頼るのはやめましょう。


難易度は、2013年度以前は東大京大を上回ると言われていましたが、近年はだいぶ易しくなりました。物理と同様で、苦手だとだいぶ差をつけられます。化学に関しては、問題集だけでは不十分です。入試が近づいたら、きちんと時間を計って過去問を解きましょう。来年度からどうなるかわかりませんが、2013~2017の5年分と模試などを利用して過去問以外に5回分のセットを解けば十分でしょう。近年の難易度が続くとして、得意なら120くらい、苦手でも75はとりましょう。








③模試
東工大については、河合塾のオープン模試と駿台の実戦模試の2つがあります。東工大受験を考えている方は2つとも受けておくといいです。形式は入試本番と同様ですが、問題の感じとかはちょっと違うかなという印象を受けました。それでも判定はある程度当てになります。
ここでB判定以上を取れたら安心かなという印象を受けます。浪人生なら偏差値60以上(500位以内)を目標に臨むといいです。
東工大模試以外にも、東工大志望の方が受けておいた方がいい模試はいくつかあります。
今回は2つお勧めの模試を紹介します。


(ⅰ)河合塾全国統一記述模試(全統記述模試)
5月、8月、10月にそれぞれある模試です。この模試は上位の大学を受験する人たちに軽視される傾向がありますが、実際に合格した人たちはそれほどいい成績を取っていません。
東工大合格者だと偏差値65弱、地方の旧帝大だと60くらいです。



(ⅱ)駿台全国模試
5月、9月、12月にある模試です。全統は3回受けた方がいいですが、駿台の方は9月の1つだけでもいい気がします。こちらは、東大、京大、東工大とうを目指している受験生向けの模試なので、母集団のレベルが相当高いです。東工大A判定の基準は偏差値60です。







④併願校
これは個人で決めることなので、私が言うことではありませんが、一応私の経験上、併願校は3~4つ受験することをおすすめします。試験に慣れるという意味では、これくらいの数をこなした方がいいです。人によるとは思いますが、進学先を確保しておくと本命の試験の時、ちょっとは緊張を緩和することができます。気負いすぎるのもよくはないです。私も試験のときは、すでに合格していた大学があったので、東工大に落ちても平気だと自分に言い聞かせて、腹痛を抑えました。



ここで、併願校の試験対策についても言っておきたいことがあります。
東工大を前期で受ける方は、もちろん第一志望が東工大であると思いますが、併願校だからと言って、その対策を怠ると痛い目にあいます。
ここからは具体的に、併願先として多いと予想される早慶大と東京理科大についてお話します。
因みに私の知り合いも、ほとんどがこの3つの組み合わせでした。
まずは、早慶大についてですが、この2校は東工大に匹敵する難易度ですので、特に注意が必要です。東工大合格者でも、過去問対策をしないと合格は厳しいです。


そもそも、東工大合格と早慶大合格に必要な力はだいぶ異なります。
東工大入試では、じっくり考えて難易度の高い問題を解く力が要求されるのに対し、早慶大入試では、標準よりレベルの高い問題をすばやく処理する能力が必要になってきます。
例として、数学の試験を考えてみましょう。東工大は、試験時間180分で5題あるのに対し、早慶大は共に試験時間120分で5題です。1問に費やすことができる時間が12分も違います。
試験スタイルは、早稲田大は全問記述式ですが、慶應大については、ほとんどが解答欄に答えのみを書かせる問題です。そこまで、練習する必要はないですが、早慶大については最低2年分くらいは過去問を解きましょう。


続いては、東京理科大についてです。
早慶大よりも難易度は低いですが、東工大受験生の多くが併願先として選ぶ大学だと思います。
私は、現役時代には早慶大は受験せず、併願は理科大1つにしました。
試験科目は、数学英語理科の3つです。注意すべきなのは、理科が1つのみでいいということです。
試験の難易度ですが、学部ごとに大きく異なります。私が今年受験した理学部物理学科ですと、数学は標準的な問題が多かったと思います。英語は試験時間が足りなく感じました。やや難だと思います。物理はとてつもなく難しく感じました。総合で6割取らないといけないので、合格するのは難しいです。私は自己採点通りだと、最低点+10くらいでした。理学部を受験される方は、数学系学科であれば、数学科特別問題、物理系学科であれば、物理学科特別問題というように、受験される学科の科目を重点的に過去問で対策したほうがいいです。私は過去問対策を怠ったので、見事にやられました。
なお、過去問対策は、併願校であればセンター試験が終わった後くらいから始めればいいと思います。





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